プロフィール

株式会社CFスタートアップス 取締役 常務執行役員 投資銀行本部長 池田 好廣氏

日興証券でIPO企業の開発。日興アセットマネジメント経営企画ベンヤー企業COOとしてJASDAQ上場。上場企業M&A担当を経て現職。

 

キャピタルゲインだけじゃない!株式投資型は「想い」への温かい投資

証券会社でIPOの支援業務、資産運用会社でグローバル投資業務、ベンチャー企業のIPO、上場企業のバイサイドでのM&Aなど、投資運用業務に携わってきたエキスパートであるCF スタートアップスの池田 好廣さん。

「投資運用業務に携わり約40年。現在所属しているCF スタートアップスでは、非上場企業向けの資金調達の支援を行っています。事業推進のための資金調達をするにあたり、これまでは融資や助成金などを中心に資金調達されてきた経営者の方が多いと思いますが、株式会社の特性を生かした資金調達の方法は、まだまだあります。エクイティファイナンスは上場企業だけのものではありませんから」

その資金調達方法の選択肢のひとつが「株式投資型クラウドファンディング」。株式投資型クラウドファンディングは、不特定多数の多くの方に発行企業の事業を紹介できるというところが最大のメリットであると池田さんは語る。

「いわゆる少人数私募という、少数を対象にした株式発行による資金調達というのは、これまでにもご経験があったと思います。今回、私たちが提案するのは、不特定多数にご案内できる公募という形の資金調達です。金額もさることながら、そのメリットを最大限に活かすには、自社の事業をより多くの方に知ってもらう場として活用するのがおすすめです。株式投資型クラウドファンディングのメリットがより高まり、事業の発展に寄与できると思います」

さらにメリットを挙げるならば、株式投資型クラウドファンディングに投資する投資家の投資スタンスです、と池田さん。

「投資家にとっては、IPOM&Aによるキャピタルゲインは大きなインセンティブになりますが、それだけではありません。株式投資型クラウドファンディングは、非常にリスキーな非上場企業への投資です。キャピタルゲインだけが目的でしたら、対象となる上場会社が国内外にたくさんあります。にもかかわらず非上場会社に投資するのは、会社事業への共感や支援の想いが不可欠です。共感・支援といった温かい資金を投資に振り向けてくれる投資家がたくさんいるのが株式投資型クラウドファンディングです」

株式会社は経営者と株主との共同事業」というのが株式会社発生の背景です。スタートアップの経営者にとって、会社の発展や事業への想いも含めて投資してくれる投資家がいることは最大のメリットです。

また、資金調達手段が多様になってきた昨今、事業規模に関わらず資金調達をすることができる時代です。

「新株を発行して事業資金を調達する「エクイティファイナンス」は、もはや上場企業や株式公開を進めている企業だけの特権ではありません。この株式投資型クラウドファンディングも含めて、様々な資金調達手段が非上場企業にも開かれてきています。

最近では政府や行政も、スタートアップ企業への支援や新たな資金調達支援などとさまざまなサポートを行なっています。株式投資型クラウドファンディングに加え弊社が支援を始めたJ-KISS型新株予約権による資金調達もその一つです。これまで躊躇していた方も改めて資金調達の手法について学び、ぜひチャレンジしてほしいですね」

欧米では、設立後の資金調達は、まず①周りの支援者からの支援(Friends & Family Roundと呼ばれています)、次に②エンジェル投資家からの支援(Angel Roundと呼ばれています)が主流で、その後にシリーズAや融資での調達に移るのが一般的。

「せっかく株式会社にしているのに、本来の株式会社のメリットをまったく使いきれていない。エクイティファイナンスをしないというのは、非常にもったいないことなのです」

株主は会社の応援団。正しく知って活用する「株式会社」の在り方

「株主がたくさん増えることが怖いという先入観や、文句をいう株主が出てくるのではないかと考えている経営者もたくさんいます。ところが、株式投資型クラウドファンディングでは、お1人様1社に対して年間50万円しか投資できないと上限が決められています。そうなるとシェアは0.数パーセントの株主がたくさんいるという状態。これまで我々が携わってきた会社様においては、クレームや難癖をつけるような投資家はいらっしゃいませんでした。むしろ非常に応援してくれる株主ばかり。逆に大口の投資家様を牽制する株主になってくれるともいえます」

このように、株主が増えることは決して怖いことではありません、と池田さん。

「私共の株式投資型クラウドファンディングであるCF Angelsをご利用いただいた会社では「我々を応援してくれる株主は多い方がいい」ということで、株式投資型クラウドファンディングを4回、購入型クラウドランディングを3回と併用した企業様があります。購入型クラウドランディングでは500万円、株式投資型クラウドランディングでは700万円程の資金調達ができました。今後も継続してクラウドファンディングを活用していきたいというお考えです。株主がいくら増えても、良いことも悪いこともきちんとディスクロールしていくことで、株主は反発するどころかむしろアイデアや意見を出してくれるようになりますよ」

繰り返しますが「株式会社は経営者と株主との共同事業」です、と池田さん。株主をたくさん増やしていくことが企業の成長スピードを早めることにつながるのだそう。

「上場会社でも、とにかく株式を長く持ち続けてくれる株主を増やすのが株主増強の戦略。株主優待も、配当政策も株主を増やし逃がさないための取り組みです」

このような経営者がマジョリティになってくると、スタートアップやベンチャー企業の成長スピードが変わってくると池田さんはいいます。

「株式投資型クラウドファンディングはいくつかの審査を経て募集が開始されます。CF Angelsに登録されている1万超の投資家に加え、周りの方や知り合いの方にも「実はこんな事業をやっているんだ。CFスタートアップの審査を乗り越えてCF Angelsで株主を募集します。是非、登録して応援してください」というご案内をすることも可能なわけですね。そうすることで、どんどんと濃い応援団が集まってくる良いスパイラルを自ら作ることができます」

株式投資型をはじめる前にきちんとしたストーリーを創ることが重要

現在、クラウドファンディングは「購入型」を中心に、活用の素地ができたといえる状況。企業が今後、どのように株式投資型を活用すべきか池田さんに聞いてみました。

「購入型クラウドファンディングが生産に係るコスト部分の調達や商品のテストマーケティングとして活用されています。商品として確立したら、製造設備やシステム投資に動くわけですが、ここからがエクイティファイナンスになると考えるのが一般的でしょう。事業として回りだしたら、そこで初めて融資なんですね。先に融資に走ってしまうと、負債が増えバランスシートが痛み、追加融資が苦しくなる。結果、色々な調達がやりにくくなってしまいます。一方で、債務超過のようにバランシートが悪くなったときに株式で資金調達すれば一気にバランスシートが改善され、融資の可能性も出てきます。最初に融資を受けることが一概に悪いわけではありませんが、資本の部を厚くするにはやはり、エクイティファイナンスがどこかのステージで必要になるんですね」

資金調達の方法として有効な株式投資型クラウドファンディング。誰でも簡単にできるのが魅力ですが、ただ闇雲にはじめてしまうのも良くはないといいます。

「やはりリスクの高い投資をお願いするわけですから、しっかりとした事業計画や資本政策が必要です。ビジネスモデルや事業戦略を、実現性あるものに仕上げることも大事です。事前に我々と何度か壁打ちや議論をさせてもらっています。きちんとストーリーができあがってからスタートすることが大切なんです。相談を受ける企業の中でもはじめからきちんとしたストーリーができている企業は100社のうち1社あれば良いくらいです。悩んだらまずお気軽に相談してみてください。」

池田さんに会いに行こう!10月14日(金)『クラウドファンディング活用セミナー|基礎編』開催決定

基礎編では、業界トレンドや最新事例を知るプラットフォーマー2社(購入型・投資型)と、起案経験者でもあるアドバイザーから具体的な活用事例や成功ポイントをお伝えします。

講師

・株式会社CAMPFIRE 竹内 一平 氏

・株式会社CFスタートアップス 取締役 常務執行役員 投資銀行本部⻑ 池田 好廣 氏

・ちばクラウドファンディング石井 貴美子 氏

■トークセッション

株式会社船越ワイナリー 代表 勝又純一氏 広報 川口明美氏

開催日

10月14日(金) 15:00〜17:00

参加費

無料

参加方法

会場「ちばセミナールーム」またはオンラインでご参加いただけます。

セミナーお申し込み方法

下記応募フォームよりお申し込みください

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